杉江デザイン事務所

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2017/07/21
スペーシング(文字間調整)の訓練

こんにちは、杉江裕視です。

ようやくデザインっぽい内容の記事を書きます。
このブログを読んでくださっているのは非デザイナーの方も多いと思いますが、そんな方にも興味を持ってもらえたら幸いです。

先日書いた「解像度を上げること」に関連して、僕が以前通っていた新宿私塾というタイポグラフィのスクールで教えていただいたスペーシング(=文字間調整)のトレーニング方法です。

新宿私塾とは

新宿私塾とは、朗文堂という出版社が主宰する、半年単位で開催されるタイポグラフィのスクールです。
「タイポグラフィ」とは元々は「活版印刷術」を表す言葉で、現在では「文字を大胆に使ったデザイン」や「文字そのものをデザインする」といったシーンなどでよく使われる言葉ですが、自分的にはもう少し広義に「文字を適切に扱うことで、意図したメッセージを正しく伝えること」と捉えています。

これまでデザインを体系的に学んでこなかった&絵を描けるわけでもない自分にとって、タイポグラフィは一つの光明というか、デザインを志す/デザインを学ぶ上で大きな軸になっていますし、新宿私塾で学べたことはとても貴重な経験になりました。

スペーシングの訓練について

詳細は省きますが、内容としては「minamimon」という単語をA4用紙に大きく印刷して1文字ずつカッターで切り離して、最適な文字間隔になるようピンセットで並べていくという訓練です。

※「最適な文字間隔」というのは、使用する書体や、デザインの意図により変わる可能性もあります。(「緊張感を高くしたい」場合は詰め気味になりますし、「ゆったりした雰囲気にしたい」場合は開け気味になります。ただしアルファベットの場合、小文字で文字間を開けすぎるのは読むリズムが崩れるので望ましく無い)
このトレーニングでの文字間隔は、小文字「m」の縦3本線(ステムと言います)の隙間の間隔を基準として、それぞれの文字が全て均等に並ぶよう調整をしていきます。
「m」を基準に均等に並べると言っても、「n」の中央にある余白は「m」よりも大きいですし「a」「o」など全然違う形の文字ももちろんあります。数値的にぴったり測れるものでは無いので、「人間の目で見て、どこかが開き過ぎたりくっつき過ぎたりしていない」という状態を見つけられるよう繰り返し訓練します。

当時のスキャンデータが残っていたので3枚ほど貼ります。
(作業途中の写真も撮っておけば良かった…)



間違えて同じ画像が3枚並んでいるのではありません。それぞれ別モノです。
「oの左右はあと髪の毛一本分空けるか…」
「nとaの距離が遠すぎる気がする…」
「あっ、こっちを動かしたらその横も直さないと…」
みたいなことをひたすら調整していきます。

やっていると段々よくわからなくなってくるのですが、先生がささっと直すと確実に良くなっていて、スペーシングの奥深さを感じたことを覚えています。

タイポグラフィにまつわるアレコレについては今後も書いていきたいと思いますが、今日はひとまずここまでとします。

読んでいただきありがとうございました。